コラム

2023/07/01
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脳科学を活用したクリエイティブの評価方法とは?

脳科学を活用したクリエイティブの評価方法とは?イメージ

クリエイティブの評価にお困りではありませんか? クリエイティブの評価は、従来はクリエイターやプランなーが自身のこれまでの経験をもとに評価してきました。
しかし、この方法では、クリエイティブを世に出してみないと結果が分からず、時間やコストが掛かったり、想定していた結果と異なったりという課題が発生しがちです。
このような課題に対して、近年では脳科学を活用したアプローチが進んできています。
この記事では、脳科学を活用したクリエイティブ評価の方法やNTTデータが提供するソリューションを解説します。

1.脳科学を活用してクリエイティブを評価

従来のクリエイティブ活動では、「時間・コストがかかる」「結果の読み取りが難しい」など、さまざまな課題がありました。そのため、自身の勘や経験を基にクリエイティブ評価を行っている方も多いのではないでしょうか。しかし、勘や経験に固執しすぎると、時代の流れや消費者のニーズに応えられなくなるおそれがあります。これからの時代においては、勘や経験などの定性的なものではなく、多角的なデータに基づいたクリエイティブ活動が必須です。

D-Plannerは、脳科学を活用し、人がクリエイティブを見た際の脳活動を予測して、定量的かつ多角的な予測を可能とするソリューションです。D-Plannerの調査対象は、パッケージデザインや屋内外広告、TVCM、棚分析、Web広告、絵コンテ/Vコンテなど多岐にわたります。調査対象の好感度やコンセプト伝達度、印象度、クリック率などの予測データを変換して数値化し、多角的なデータを基に質の高いクリエイティブ活動を実施できます。

また、D-Plannerでは、商品の種類やデザインパターンを問わず、何度でも解析し直すことが可能です。調査項目も自由に組み合わせられるため、多角的なデータ分析を繰り返し行い、クリエイティブ活動の精度を高められるでしょう。

2.一般的なクリエイティブ評価手法との違い

クリエイティブ評価の一般的な手法としてよく挙げられるのが「モニターインタビュー(CLT)」や「ヒートマップ」です。これらの手法とD-Plannerの違いについて詳しく解説します。

モニターインタビュー(CLT)

モニターインタビュー(CLT)とは、会場調査や会場集合調査とも呼ばれ、会場に調査対象者を集めて実施する調査です。モニターインタビューは、機密性の高い調査を行いたい場合には適していますが、リラックスした状況で製品を試すことは難しいという課題があります。また、テスト品を厳重に管理する必要があり、準備の手間がかかる点もデメリットです。

D-Plannerは、人間のクリエイティブに対する脳活動データを基にして、定量的かつ多角的な予測ができるクラウドサービスとなっているため、モニターインタビューのように会場に調査対象者を集める必要がありません。自分の好きなタイミングで気軽にクリエイティブ評価を行えます。時間・コストを大幅に削減できる点がメリットです。

さらに、D-Plannerでは、ファシリテーターのスキルセットに左右されることなく、脳データを用いて客観的な視点から製品を試せます。より正確なデータ収集・分析が可能であるため、モニターインタビューよりも高精度な調査を実施できるでしょう。

ヒートマップとは、どの部分が注目されているのかを色の濃淡・強弱によって視覚化する手法です。見ている人の注視度を可視化することで、訴求したい箇所に注意が向いているかを確認できます。

他社ニューロマーケティング(ヒートマップ)

D-Plannerでは、ヒートマップの機能に加え、好感度予測や記憶定着レベルの分析など、幅広い機能を搭載しています。そのため、注目されている箇所だけではなく、どのような印象を持っているのかなども把握でき、より高い精度の分析が可能です。

3.D-Plannerの分析手法

D-Plannerでは、消費者購買行動モデル(AIDMA)に則した分析が可能です。この章では、D-Planner の9つの分析手法について具体的に説明します。

アテンション予測

アテンション予測は、カーソルを画像上の任意の位置に移動させてヒートマップボタンをクリックし、アテンション度合いを数値で確認できる手法です。訴求したい箇所に注意が向いているか、どの箇所が注目されているのかを制作段階で予測し、デザインのブラッシュアップに活かせます。

知覚予測

知覚予測は、コンテンツ視聴時に視聴者が知覚する内容を名詞・動詞・形容詞の3種類の指標でスコア化する機能です。スコア化することで、視聴者が感じていることや内容を正確に把握できるようになります。

印象度予測

印象度予測は、コンテンツが視聴者に与える印象を30項目の印象評価指標によってスコア化できる機能です。CMの印象度を予測したり、CMごとに印象度を比較したりするなど、さまざまな方法で活用できます。印象度予測には「美しい」「都会的」「男性的」「女性的」など多数の項目があり、対象のCMがどのような印象を持たれているのかを正確に把握できる点が魅力です。クリエイティブ制作の方向性についても事前に確認できます。

GAP分析

GAP分析とは、任意のキーワード(制作意図)を設定し、コンテンツの企画・制作意図が視聴者にどれくらい伝わるのかを予測できる機能です。コンテンツの制作・配信における最適化や、ブランドマネジメントの検証など、CMの意図が伝わっているかを把握したいときに適しています。

好感度予測

好感度予測とは、TVCM調査会社の調査データを基に、コンテンツが視聴者にどれだけ好かれているのかを予測できる機能です。例えば、ブランドリフトや商品認知に関するコンテンツ制作・配信の知見を得たり、サービス・CMごとの好感度をまとめて比較したりする方法で活用できます。

好感度

好感度はその名のとおり、コンテンツに対する好みや嗜好(好き・嫌い)を評価する機能です。コンテンツに対してどのようなイメージを持たれているのかをチェックできます。

広告効果予測

広告効果予測とは、コンテンツをWeb広告として出稿した際の広告効果を予測できる機能です。出稿するコンテンツの絞り込みや予算配分の最適化、制作のブラッシュアップなど、さまざまな目的で利用できます。Webでのクリック率などを把握したいときにも有効です。

行動・試用・購入意向

行動・試用・購入意向は、TVCM調査会社の調査データを基に、コンテンツの「試用」「愛用」「購買」への影響を予測する機能です。コンテンツを通じて、視聴者が商品を試したくなるか、または購入したくなるかを予測します。この予測結果を基に改善を繰り返すことで、コンテンツの販促効果を最大限に高められます。

1ヶ月後の記憶定着予測

1ヶ月後の記憶定着予測は、コンテンツのどの部分が、どのくらい視聴者の記憶に残りやすいかを予測する機能です。テレビCMなどが1ヶ月後にどれだけ記憶に残るのかを把握できます。さらに、CMのどのシーンが記憶に残っているのか、どのシーンが印象に残っていないのかといった詳細な分析も可能です。クリエイティブと購買行動の因果関係も分析できます。

4.まとめ

これからの時代のクリエイティブ活動は、勘や経験ばかりに頼るのではなく、多角的なデータに基づいて行う必要があります。D-Plannerは、脳科学を活用し、人がクリエイティブを見た際の脳活動を予測した上で、定量的かつ多角的な予測が可能です。好感度や印象度、クリック率などのデータを数値化できるため、多角的なデータを基に質の高いクリエイティブ活動を実施できるでしょう。

D-Plannerは、クラウド版も提供しており、自分の好きなタイミングで気軽にクリエイティブ評価を行える点もメリットです。精度が高いクリエイティブ活動を実施するために、ぜひD-Plannerの導入をご検討ください。