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2023/06/01
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ニューロマーケティングのトレンド、マーケティング手法のニーズを詳しく解説

ニューロマーケティングのトレンド、マーケティング手法のニーズを詳しく解説イメージ

マーケティング調査は、どのように行われていますでしょうか?
これまでは、インタビューやアンケートといった手法が主流でしたが、近年では、「ニューロマーケティング」の手法をもとにした調査・評価が注目を集めています。
この記事では、ニューロマーケティングの概要や具体的な計測方法、事例などを解説します。

1.ニューロマーケティングのトレンド

従来のマーケティング調査といえば、消費者に対してインタビューやアンケートなどを実施する「定性調査」や「定量調査」が主流でした。これらの調査においては、消費者の本音やリアルタイムな感情を正確に察知できない点が課題とされています。マーケティング活動を実施する際には、消費者が何に魅力を感じているのか、どのようなことに興味があるのかを、多角的に把握することが重要です。

こうした背景から、消費者がなぜ購買行動に至ったのか、どの箇所を見ているかなどの詳細な情報を可視化・分析できる「ニューロマーケティング」の需要が高まっています。ニューロマーケティングとは、脳科学を用いて消費者の脳の反応や心理、行動などを明らかにし、マーケティング活動に応用する手法です。脳科学の知見とITを融合させた「ブレインテック」の一つであり、従来よりも詳細なマーケティング活動につながると期待されています。

ニューロマーケティングの代表的な計測方法は、「fMRI」「NIRS」「EEG」の3つです。
それぞれの計測方法の特徴について簡潔に解説します。

fMRI

fMRI(functional magnetic resonance imaging)とは、MRI装置を使って脳の活動を調査する方法です。fMRIは研究例が豊富で、さまざまな形で脳情報を取得できるため、マーケティング活動にも活かしやすいメリットがあります。

NIRS

NIRS(near-infrared spectroscopy)とは、微弱な近赤外光を用いて大脳皮質部分を計測し、画像化する方法です。体を動かした際の脳の変化や、筋肉の疲労度・回復具合などを確認できます。

EEG

モニタEEG(Electroencephalogram)とは、頭に電極を装着し、覚醒時や睡眠時の脳波を計測する方法です。身体への負担が少ない特徴があり、外部からの刺激に対する脳波の反応を記録できます。
ほかにも「表情解析」や「アイトラッキング」などの手法もマーケティング活動でよく使われています。
ニューロマーケティングのソリューションの市場規模は年々拡大しており、2017年が10.3億ドルであったのに対し、2024年には20億ドルと約2倍に拡大する見込みです。

また、世界の感情分析・ニューロマーケティング関連市場規模も、2017年には1.23億ドルでしたが、2025年には38億ドルまで伸びると予想されています。感情分析・ニューロマーケティングの市場は、今後さらに拡大していくでしょう。

参考:https://www.ohmae.ac.jp/mbaswitch/_watch_emotionanalysis/

ブレインテックの分野は年々伸びており、ニューロマーケティング以外にも、医療やヘルスケアなど多方面での活用が期待されています。例えば、昨今の医療業界では、認知症や脳卒中などの脳に関する疾患の治療が大きな課題です。これらの脳疾患や神経疾患のなかには、原因が解明されていないものや、治療が難しいものも存在します。ブレインテックの技術が発展することで、脳疾患や神経疾患に対する予防や診断、治療、リハビリといったサービスの発展・普及が期待できます。

ヘルスケアの分野では、睡眠中の脳波を測定することによって、より快適な睡眠につながる技術の開発が進んでいます。睡眠の質は、健康を維持する上で不可欠な要素の一つです。睡眠不足や、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、睡眠に関する悩みを抱えている人は世の中に大勢います。ブレインテックの技術を有効に活用することで、質が高い睡眠を得られるようになるでしょう。

また、ここ数年でブレインテックとAI(人工知能)を組み合わせて社会の課題を解決しようとする動きも活発化しています。以下では、ブレインテックとAIを組み合わせて製造業での検査員の負担軽減を実現した事例や、人材マッチングや職種の適性判断で活用された事例を紹介します。

製造業での活用例

ある自動車メーカーでは、カーナビなどを開発する際、膨大なデータを眺めながら品質チェックを行う必要がありました。長時間画面を見続けなければならないため社員への負担が大きいほか、熟練者と経験が浅い人で検査能力に差がある点が大きな課題でした。

そこで、熟練検査員が画面を見ながら品質チェックをしている際の脳波測定をEEGで実施。熟練検査員の脳波を学習データとして活用し、熟練者の検査スキルを学ばせたAIモデルの構築を実現しました。このAIによって、検査作業の一部を自動化し、検査員の負担軽減と作業レベルの平準化を実現しています。

人材マッチングや職種の適性判断での活用例

人材マッチングや職種の適性判断のシーンにおいては、面談やペーパーテストを実施し、その人が営業職・技術職どちらに適性があるのかなどを判断する方法が一般的でした。しかし、「本当に本人にとって適性がある職種を見つけられるのか」と疑問視する意見も多く見られます。

ある企業では、ペーパーテストを受けているときの社員の脳波を測定し、集中力や興味の度合いなどを計測。脳波の出方などを基にして、本人に適切な職種を見つけられる仕組みを構築しました。脳波を可視化することで、本人にとって最適な職種を選びやすくなるメリットを得られました。

このように脳科学とAIを組み合わせてビジネスの課題を解決する動きは、日本国内・世界で増加しています。AIの急速な進化や、EEGデバイスの発展に伴い脳波の測定が容易になったこともあり、「脳科学×AI」を活用した取り組みは、今後も拡大していくでしょう。

2.「脳科学 × AI」でクリエイティブを評価

近年トレンドになっている「脳科学×AI」は、マーケティングや商品開発などのクリエイティブ業務でも活用できます。

D-Plannerは、脳科学を活用し、人がクリエイティブを見た際の脳活動を予測して、定量的かつ多角的な予測を可能とするソリューションです。脳情報を基にした 「NeuroAI」を用いて、調査対象の好感度やコンセプト伝達度、印象度などを、クラウド上で多角的に予測・解析できます。調査対象は、パッケージデザインや屋内外広告、TVCM、棚分析、Web広告、絵コンテ/Vコンテなど幅広く、さまざまな目的で利用できる点が魅力です。D-Plannerの主な特徴は、下記の3点です。

さまざまな要素を数値化できる

D-Plannerでは、好感度やコンセプト伝達度、印象度、クリック率などの予測データを変換して数値化できます。定量的かつ多角的な分析が可能です。

何回でも分析し直すことが可能

D-Plannerは、商品の種類やデザインパターンを問わず、何度でも解析できる点も特徴です。加えて、調査項目を自由に組み合わせることも可能であるため、精度の高いクリエイティブ業務を実施できるでしょう。

自分の好きなタイミングで作業できる

D-Plannerは、クラウド版の提供を行っている点も特徴です。自分の好きなタイミングで場所を問わずに利用でき、気軽にクリエイティブ評価を行えるメリットがあります。D-Plannerは、コンテンツをクラウド上にアップロードすれば、即座に解析結果が表示される仕組みです。そのため、タイトなクリエイティブの制作・検証フローにも適しています。クリエイティブ業務にかかる時間・コストを抑えられる点も大きな魅力といえます。

3.まとめ

この記事では、ニューロマーケティングのトレンドや代表的な計測方法、脳科学とAIを活用したクリエイティブの評価方法をご紹介しました。
AIを活用することで、より精度を高めるとともに、評価にかかる時間やコストを短縮することができます。D-Plannerは、高い精度でクリエイティブ活動を実施するために役立つ機能を多く搭載しています。ぜひD-Plannerの導入をご検討ください。